あの夏の日
ホームに降りると



電車が来ていた。



なんの迷いもなく、



彼の住む町へ向かった。




幸い今日はゼミも


1時間だけ。




私は


かいとの通う高校のある駅で、



電車を降りた。



もう帰りの電車賃はない。



高校は、駅から程近く



すぐにわかった。



私は門の近くのベンチに



腰をかけた。



髪をかきあげようとして、



髪を切ったことに、



改めて気が付いた。




なぜか涙があふれてきた。



「かいとに会いたい。」



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