あの夏の日
ある日サークル室にいると、



コーチがボールを取りにきた。 


テーブルの上の写真集をみつけ



『これ 君の?』



私が頷くと



見せてほしいと言った。



そういえば、



そのコーチはサーファーだと



先輩が言ってた。



『これ、少し借りてもいい?』



「どうぞ。」



その日はメンバーが集まらず



練習は取り止めになり、



コーチが車で送ってくれた。



車の中で、コーチは



付き合っている人がいるかを



しつこく聞いてきた。



「一応いますけど、彼と言えるかな。」



私はコーチを試したくなり、



答えを濁してみた。



『お茶して行かない?』



とカフェの前で車を停めた。



「はい」



私は冒険してみたかった。



大人の付き合いに憧れていた。





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