あの夏の日
初デートから一ヶ月が過ぎ、



雨降りの日。



学校の門の前に



コーチの車が停まっていた。



私はドアに手をかけたその時、



助手席にだれかがいるのに気が付いた。



女の人だと言うことは



赤いハイヒールですぐにわかった。



私は車から離れ、



校内へ戻った。



みんなが車を見ていく。



そう…あの車は自慢だった。



屋根をオープンにして風をきり、


まわりの視線を集めるのが、



とても気持ちがよかった。



そう、あの日までは



幸せだった。



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