あの夏の日
そう…その青い表紙の本は



しばたみずきの写真集だった。



みずきが思いを託し、



そっと置いた一冊だった。



彼女は満足気に店を後にした。



みずきは後を追いかけようと



出口へ向かったが、



あの時の彼が



交差点の向こうで



手を振っていたので、



見送ることにした。



『かいと…あの子に会えたよ!』


彼は待ちきれず、



車を飛ばして家に向かった。




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