―黒蝶―
彼女はそう言うと、コップを持って部屋を出て行った。

俺は彼女の言葉が胸に染みた。

やっぱ、雷蝶の人々は温かいなぁ…



そして、俺は思った。

俺はここで、七瀬だけじゃない。



雷蝶の人全員を、俺に優しく接してくれた人全員を…


絶対に守ってみせるって。



笑顔を失くしたりさせない、この笑顔は守ってみせる。

そして、暗闇の中から抜け出して、ヒカリへと辿り着くことを信じている…



七瀬も、総長も…俺も。

みんなが幸せになれるように、俺は今度の勝負にかける。


俺は総長に策略の話をするため、その場を去った。

眠れる姫の頬に、小さくキスを落として...

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