―黒蝶―

決戦前夜

アタシたちは、あれから何故か、話を一切していない。

ただしくは、したくない。



それに、アタシが一方的にしたくないだけで…

「七瀬―」

「ゴメン」



アタシは蓮を避けるようになってしまった。

何でだろう?

蓮は悪くないのに、悪いのはアタシ。

なのに…蓮の目が、視線が…怖い



蓮が好きなのに、信じたいのに…

好きっていえないし、族を辞めたことを疑ってるし…


アタシ、サイテーだよ。


「七瀬」


その声が蓮じゃない、ってわかるとアタシは振り向いた。


「何?秋葉?」

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