―黒蝶―
浅田緑を…殺す?

「俺を殺してみろ、そうすれば少しはスッキリすんだろ?」

「え?」

「だってぇ、俺は雷蝶を潰した。蓮だって、雷蝶の総長だって、み~んな…」

「ヤメテッ!」



その先に待っている真実を聞きたくなくて、耳をふさいで叫んだ。

彼は微笑んでアタシの腕を掴んだ。



「この、細い腕で俺を殺してみろ」



言いながら、アタシの腕を自分の首へと持っていく。

アタシは何も感じなかった。



雷蝶をボロボロにしたのはこいつ。

みんなを傷つけたのもこいつ。

こいつがいなくなれば…みんなを少しでも安心させられる?



アタシは自然と手に力が入る。

彼は口角を上げた。

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