―黒蝶―
「蓮、違っ…」


アタシの肩を持つ蓮の力は強くて…

すごく痛かった。


「じゃあ、言えよ!」

「嫌だ!蓮には言えない!」



蓮だけには知られたくない。

アタシと一緒にいた蓮と、

「俺が守るよ」

そう言ってくれた蓮に…



すると蓮はいきなりアタシを抱きしめた。


「?!蓮っ?!」

「言えよ、七瀬」



蓮の息が耳にかかる。

耳が弱いらしいアタシはゾクッと体が反応する。



「七瀬…」


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