―黒蝶―
そう告げて蓮は去っていった。

何事もなかったかのように、

静まり返る部屋―




鏡をふと見ると…




蓮に付けられた無数のキスマークが、現実だという事を示した。


アタシはキスマークを隠すように、長袖を着て、長いスカートをはいた。



首はどうすることも出来ないので、一応絆創膏をしておいた。

まだ、蓮に触れられたところが熱い…



でも。わからない。


何で蓮は悲しそうな顔をするの?

何で蓮はキスしたの?

何で…?



考えれば考えるほどわからなくなってきた。


ブォン ブォン...


たくさんのエンジン音が聞こえた。


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