―黒蝶―
すると青葉さんは吸っていたタバコを落とし、踏みつけた。

「…教えてもえーよ?でも、途中で止めるかも知れん」

「…?」



その意味が理解できぬまま、俺は青葉さんの話に耳を傾けた。



「俺が総長を脱退する前日…だったな」


―5年前―


「緑、次の総長はお前や」

「青葉さん?俺なんかでいいんですか?」

「あぁ、えぇに決まってる。桃香も言ってるしな」



俺は桃香の頭を撫でた。

心なしか少し悲しい表情をしていた。



「…青葉、言いたいことあるの」

「ん?何や?」


「…別れよう」


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