―黒蝶―
「もしかして…」


緑さんは不気味に口角をあげた。

そして、目を細めて言った。



「黒蝶だ」




―七瀬!

やっぱり、この人はそういう人だ。



やると思った...

でも、俺の意思に揺らぎはない。



もし、緑さんが七瀬を狙うのであれば、俺は命をかけてでも…七瀬を守る。


絶対に…


俺は静かに立ち上がり、緑さんに一礼した。

「今までお世話になりました」


俺は一切後ろを振り返らず、雷蝶のアジトに向かった。

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