戦国に咲く紅葉


「……う……」



急に激しい目眩と吐き気があたしを襲った。


視界がぼやけて、桜の花びらたちも、ただの桃色の塊(カタマリ)にしか見えない。



だんだん意識が遠のいていく。


その中で、


あたしを呼ぶ声と、ずっと握っていた紅葉の紅(クレナイ)の色だけがはっきりと私の記憶に残っていたー……。



< 7 / 10 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop