マスタード
「大地~~~。」
少し上がった目に、栗色の髪の毛をした七星は透き通った声で俺の名前を呼ぶ。
七星はモテナイほうじゃない。ただ性格に難があるだろう。
「大地、マック行こ。新発売のシェイク飲みたい!」
『あ、今日無理。これから練習あんだ。』
「うわ~でた。練習。つっまんない!」
そう言っていつも一緒にいる千夏のもとに走って行く。
別に七星は怒ってるわけじゃなくて、いつもあんな感じだと俺は知っている。
『七星ー。明日だったら付き合ってやるよ。』
少し離れた七星に大きい声で叫ぶ。
「大地に付き合う時間はない。あたしが暇だったらね。」
そう言ってツンッとした顔で教室を出て行った。