此処から先、晴天なり
スナック『ひばり』


年齢層の高い店で、23歳のあたしが全て総なめにするのに時間なんてかからなかった。


あの日まで。


あの日、愛宕町は閑古鳥が鳴いていた。


「誰か来ないすかね−」


俗に言うオラオラ営業


見た目が派手だったあたしは、高圧的に客に言いたい放題のやりたい放題。


それが良いと、貰える指名


土曜日だった。


誰もいない店内に、あたしの声だけが聞こえていた日。
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