此処から先、晴天なり
「永遠ちゃんに客ひけないなら、あたしらがひける訳ないじゃん」


つまらなさそうに、カウンターの端で由美子さんが呟いた。


「ぼやいてないで営業しな。ひかなきゃ客はこないよ」


ママの小言を交わして、携帯をいじる。


♪♪♪♪♪


見計らったように、あたしの携帯が鳴った。


あの保奈美からの電話が、全ての始まり。


「もしも−し、保奈美−」

『あ、永遠?あのさ−』

「今仕事中」

『なら尚更いいよね♪』

「は?」

『今から後輩と店行くから』


下がりきっていたテンションが一気に上がる。


「了解!何人?」

『六人♪』


ママや姉さん達も一気に動き出す。


保奈美が来たのは、ほんの数分後。


「いらっしゃいませ♪」


男三人、女三人


保奈美が女神に見えた。


「あのさ永遠、このあとイケる?」


ガンガン飲みだし騒ぎだした頃、保奈美はあたしに聞いた。


「イケるよ、なんで?」

「前のメンパブ…爽って店にさ、ツレが働いてんの。行ってみたいんだよね」


保奈美の言う店は、あたしの兄貴分がマスターを勤める店だった。
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