With you
…もしかして。


両親のどちらかが再婚した後の子供?


あるいは再婚相手の連れ子か。


年齢からして後者だろう。


と、すると……さっき佐々木莉奈が言ってた男があたしの父親?


でも父親はあたしのことなど話すだろうか。


それに、写真をさっき見せてもらったけどあたしは分からなかったし……。


だけどあたしは父親の顔を覚えているか、と言われたら覚えている、とは言えない。


だからさっきの写真の男があたしの父親だという可能性は十分あり得る。


……。


「莉奈ちゃん、もし姉妹だとしても、あたしのことどこから聞いたの?」


「…あら?正解にたどり着けた?案外バカじゃないかもね、歩夢ちゃん」


「はぐらかさないで。もしかして、アンタの言う、財産目当ての男があたしのことをアンタに言ったの?」


「んー、違うよ?…まあ、多分あたしと歩夢ちゃんの関係は歩夢ちゃんの想像してる通りだと思うけど……」



やっぱり、あたしの父親が…?


怒りが沸々とこみ上げてきた。


妹はお金が無かったから心臓移植ができなかったんだよ?


なのに…父親はお金持ちの奥さんをもらって贅沢三昧の生活をしていたなんて。



-----許せない。その思いがいっそう強くなった。



「歩夢ちゃんのことはね、興信所の調査結果で知ったの。新しい父親が来るって言われて、はいそうですか。なんてうなずけないもの。で、アイツのことを調べさせたとき、出てきたのが歩夢ちゃんとその妹さんの、裕理ちゃんのこと」



この人は全部知っている?


「裕理ちゃんは今、中学生?」


いや…妹が死んだことはまだ知らないのか。


「……裕理は、死んだよ」
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