With you
この広い部屋はどうも落ち着かない。
あたし1人しかいないのに何この広さと豪華さ。
天蓋付きのベッドや、こんなに大きなシャンデリアなんて初めて見る。
「わぁ~」
あたしが1人感慨にふけっていると、控えめにドアをたたく音が聞こえた。
「あ、どうぞ」
「失礼します。部屋はお気に召しましたか?」
「え、あ…えーと……聖良、さん?」
「はい。覚えて頂けて光栄です。食事は、部屋に運びましょうか?」
「あ、はい。すみません。お願いします」
「…いえいえ。では後ほど。あ、それから、これ…」
聖良さんが、ポケットから小さく折られた紙を出し、あたしに手渡した。
「?」
「大樹様からのお手紙です」
「え?あ、ありがとうございます」
「それでは」
聖良さんが出て行って、ドアが閉まった。
何だろう……?
手紙には、こう書かれていた。