With you

「おはよう、歩夢ちゃん。あたし、莉奈。今日、朝8時、兄さんと一緒に歩夢ちゃんの部屋に行くから。待っててね」



「え?あ、うん。分かった」



「それじゃぁ、See you later!」


ガチャン、と受話器の向こうで電話を切る音がした。


そして耳に当てた受話器からはもう、無機質なツーー、という音しかしなかった。




朝ご飯(イタリアンのフルコースだった)を食べ終わって、少し景色を眺めていたら、ノックの音が聞こえた。



「あ、どうぞ…」


あたしがそう言ったら例の2人が入ってきた。


「失礼。入るわよ、歩夢ちゃん」



「おはよう、よく眠れた?」



「あ、はい。ありがとうございました」



「そっか、じゃぁ、本題に入るけどさ、今日母親の仕事が休みだから、報告に行く事になった」



「……はい」



「歩夢ちゃんは最初、ドアの前で待っていてくれる?俺が呼んだら入ってきて?」



「…はい。佐々木大樹さんが呼ぶまで、待っていればいいんですね?」



そう言ったら彼は苦笑して言った。



「佐々木大樹さんって……長すぎるよ。俺、一応学年1つ上の3年生だから…大樹先輩って呼んでよ」



「え?!大樹先輩って3年生だったんですか?!」



「え、うん、そうだけど?いくつに見えた?」



「え、大学生か社会人だと……」
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