With you
「母さん、あの男がこの家に着たときに私たちは言ったはずです。『あの男を父親とは認めない』と」
「莉奈!いつまでそんなたわけたことを言っているのです!」
「たわけてなんていません。……兄さん、彼女を呼んで?」
「ああ。母さん、今から真実を聞いてもらいます」
「…いったい何だというのっ?!」
「激高しないでください、母さん」
「っつ…!」
「…歩夢ちゃん、入ってきて?」
あ、呼ばれた!
ここからが、本番。
あたしがあの男に一矢報いるための。
ピンと胸を張り、ドアに手をかける。
1回深呼吸。落ち着いて…。
よし!
佐々木歩夢、行きます!
ガチャッ…
「失礼します!」