With you
作戦その2
「よし、それじゃぁ、決定!次は情報収集をしよう!」
「「はい!」」
「次の作戦は…名付けて、『作戦その2』!」
…名付ける必要無くない?
…この前のが作戦その1だったから、作戦その2って…まんまじゃん!
「プッ……アッハハハハ…!」
何がツボに入ったのか分からないけど、思わず笑ってしまった。
そしたら大樹先輩に怒鳴られた。
「ちょっ……笑うことないだろ!笑うことは!」
顔を赤くして怒る大樹先輩に……
なんか……正直、ちょっと安心した。
さっきの会話を聞いて、あたしに畏怖の念を覚えさせたこの人も、普通の高校生なんだって、思えた。
普通にあたしと会話して、笑って、怒って。
予想もつかないほど超絶な大金持ちだったり、憎んでいる相手を徹底的に追い落とすために腹黒い作戦を立てたりするこの人だって、普通の高校生なんだって。
「ま、それでね、歩夢ちゃん。情報収集は、いろいろなルートで行う。せっかく3人いることだし、3手に分かれようと思うんだ」
「…はい」
「歩夢ちゃんは、これ」
そう言って手渡されたメモには数字とアルファベットの羅列。
「これ…は?」
「俺のPCのパスワード」
パスワード…?