With you
あたしのために用意された広い部屋の豪華なベッドの隅にうずくまりながらあたしは1人震えていた。
この震え、あの2人にばれなかったかな…?
あの男……あたしの実の父親(認めたくはないけれど)には、どんな冷酷な仕打ちだって、できる気がする。
でも…大樹先輩や佐々木莉奈に死の危険があるって言われたら……無意識のうちに手が震えだしていた。
怖いんだ。
会って間もない人たちだけど、同じ目的のために頑張っている仲間なんだ。
そんな彼らが……いなくなってしまうのが、とてつもなく、怖いんだ。
裕理のことを思い出す。
『歩夢姉ちゃん…あたし、お母さんに会いたいなぁ…』
『裕理…大丈夫、会えるって…』
『……うん……ゴホッ……』
『裕理?!』
その会話が、最後の会話だった。
医者が蘇生を試みたけどもうどうにもならなくて。
心臓が動いていないことを示す『ピーーーー』という単調な機械音が鳴り響く中で、臨終を告げられた。
怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い………。
大切な人を、失うのが。