Ｗｉｔｈ ｙｏｕ

ついて行く、と言うか連れて行かれた、の方が正しい表現かもしれない。



腕を引っ張られ、無理矢理校門のところまできた。



そこにはすでに黒塗りの高級車と思われる車が止まっていて、その近くに立っているスーツをぴっちり着こんだ男があたし達に向かって小さく会釈をした。



その男によって車のドアが開けられ、佐々木莉奈は当然のように乗り込んだ。



「歩夢ちゃん、乗って？」



「…ちょっと待って。どこに行くの？行き先を言って」



「あたしの家だけど何か？」



「何かって………何であたしがアンタの家に…ッ！」



行かなきゃならないの？！、と言う言葉は口に出せなかった。


さっきの男があたしを軽々と持ち上げて車の中に押し込んだからだ。



「歩夢ちゃん、無駄な抵抗はしないほうがいいかも。うちのＳＰ、強いからね」



「っつ……」



あたしが絶句すると、佐々木莉奈はまるでその反応を楽しむよかのように微笑みながらこう言った。



「…さて、じゃあ車が家に着くまでお話ししましょうか」




嫌な汗が首筋を伝う。

なぜか嫌な予感がしてたまらないのだ。





「……お話って？」



そう問いかけたあたしに佐々木莉奈は答えず、代わりに手に持っていたおそらくブランド品であろうバッグから写真を出した。



「…この写真を見てくれる？」