With you
その写真にはきれいな女の人---25ぐらいに見える---と、どことなく顔立ちが佐々木莉奈に似ている男の人---30ぐらいに見える---と小さな赤ん坊が写っていた。
「………誰?」
「赤ん坊はあたし。2人はあたしの家族だった人たち。じゃあ、次はこれを見て?」
だった、という言い方に妙な違和感を覚えたが、佐々木莉奈がすぐに新しい写真をあたしの手元に持ってきたので、そんな違和感は思考の隅に追いやった。
もう一つの写真にも3人の人が写っていた。
「この女の人…さっきよりは年が取って見えるけど、さっきの女の人?」
「…うん」
「この女の子はアンタだよね?」
「…そう」
「この男の人は……」
あれ?
この男の人はどうしてもさっきの人に見えない。
年を取ったら変わるのかな?でも、ここまでは変わらないよね…。
「誰だと思う?」
「…分からない…」
佐々木莉奈は一瞬驚いた顔をしたけれど、すぐもとの表情に戻り
「そう」
とだけ言った。
「…この人はね、あたしの新しい父親よ。財産目当てで転がり込んできて、母親はまんまとだまされて、惚れちゃって、すぐに結婚したわ。夫が亡くなったばっかりだというのにね」
言葉の端々からその新しい父親と、母親に向ける悪意が感じられた。
「………誰?」
「赤ん坊はあたし。2人はあたしの家族だった人たち。じゃあ、次はこれを見て?」
だった、という言い方に妙な違和感を覚えたが、佐々木莉奈がすぐに新しい写真をあたしの手元に持ってきたので、そんな違和感は思考の隅に追いやった。
もう一つの写真にも3人の人が写っていた。
「この女の人…さっきよりは年が取って見えるけど、さっきの女の人?」
「…うん」
「この女の子はアンタだよね?」
「…そう」
「この男の人は……」
あれ?
この男の人はどうしてもさっきの人に見えない。
年を取ったら変わるのかな?でも、ここまでは変わらないよね…。
「誰だと思う?」
「…分からない…」
佐々木莉奈は一瞬驚いた顔をしたけれど、すぐもとの表情に戻り
「そう」
とだけ言った。
「…この人はね、あたしの新しい父親よ。財産目当てで転がり込んできて、母親はまんまとだまされて、惚れちゃって、すぐに結婚したわ。夫が亡くなったばっかりだというのにね」
言葉の端々からその新しい父親と、母親に向ける悪意が感じられた。