ホタル



…頭は妙に、冷静だった。

梨華さんはあたし達のお姉さんみたいな存在で、多分、一番あたし達の気持ちに敏感で。

そうだよね。気付かないわけないよね。


裕太が振り向いた。

二人の目があった。

多分、二人の目に映る未来は同じだったと思う。



思った。

ああ、あたし達は、二人で地獄に堕ちることさえ赦されない。


そして、知った。





< 224 / 326 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop