ホタル
三年。
裕太と別れてから、もう三年もたったんだ。
この春裕太は、大学生になったはずだ。
梨華さんからの便りに、付属大の推薦で合格したとあったから。
何か変わっただろうか。
髪は、背は伸びただろうか。
あたしを呼ぶ声は、まだ変わってないだろうか。
何度も何度も想像を繰り返して、そしてその虚しさにため息をつく。
未だにそんな想いにとらわれているのは、あたしだけなのだろうか。
パソコンの電源を切って、ベッドにうつ伏せになった。
固く目を閉じて、自ら暗闇に身を投じる。
…あたしだけであって欲しいと思える様になっただけ、三年の意味はあったのだと信じたい。