ホタル
第七章【決意】
……………
あたしは、ロミオとジュリエットが嫌いだった。
名前に邪魔されて最後まで報われなかった二人の恋は、確かに悲恋かもしれない。
でもあたしには、羨ましくて仕方なかった。
例え誰に反対されても、誰に祝福されなくても、その恋は決して罪にはならないから。
二人は、姉弟なんかじゃないから。
例えばあたしと裕太が姉弟として生まれてこなければなんて、もう何度も考えてたけど、それでも考えずにはいられない。
あたしと裕太が姉弟じゃなかったら。
だったらこの恋は、永遠だって見えたのかな。