幸せの条件
 私は、視線を戻してまた手を動かしはじめる。

「そうですけどなんでしょう?」

「手伝ってこいって言われたの。」

私は、女性の顔を見る。

「三浦よ。三浦夏子。で、なにをしたらいい?」

「・・・ありがとうございます。」

私は、夏子に作業の手順を丁寧に教える。

「OK!」

夏子は、人差し指と親指で輪を作り、残りの指を立ててウィンクした。

鼻歌を歌いながら淡々とこなしていく夏子の手際のよさに感心しつつ、助かったと思った。

なんとか会議に間に合い、私は、同僚とお使いに出掛ける。

同僚からその時、夏子のことを聞いた。

そして、青ざめた。

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