幸せの条件
 会社に戻った私は、夏子を探した。

喫煙所にて1人で煙草を吸っている夏子を発見する。

「夏子さん!」

私は、缶コーヒーとチョコレートを夏子に差し出した。

「・・・な、なに?」

「お礼です。」

「・・・ああ。サンキュ!!」

夏子は、私から受け取る。

「ごめんなさい。夏子さんのこと知らなくて。」

「あたしが正社員ってこと?いいって、いいって。上下関係、気にしないから。タメ口、呼び捨てでよろしく!」

夏子が笑う。

「あっ、このチョコ。息子が好きなんだよね。」

「今、何才なの?」

「3才。」

夏子が笑うたびにピアスが光る。

「さくらさんは?結婚は?子どもは?」

「・・・私は離婚したばっかり。子どもはいないの。」

私は、苦笑いをする。

「あ~、またやっちゃった!」

夏子が頭を抱えてしゃがみこんでしまう。


< 102 / 202 >

この作品をシェア

pagetop