幸せの条件
 私と夏子は、急速に仲良くなっていった。

束縛しない夏子が好きだった。

夏子もどこへ行くのもなにをするのも平日も休日も一緒という奇妙な女子の習性が理解できないと言っていた。

一緒にいることだけが必ずしも仲良しの証というわけではない。

長く一緒にいても心を開くことをしなければ意味がない。

それに自分を押し付けても自分を殺してもつらくなる。

自分と他人との距離とバランスが重要だ。

社交的で積極的な夏子は、時々、過ぎることがあるけれどそれがまた夏子らしいと思う。

「ねぇ、さくらさ~ん。」

ロッカールームで着替えていた私に夏子が近付いてくる。

私は、着替えながらチラッと夏子を見た。

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