幸せの条件
 「さくらさ~ん。」

夏子が私の肩を叩く。

パソコンの画面から私は、視線を外して夏子を見上げた。

「今、10時。遅刻だよ。」

私は、そう言いながら立ち上がる。

「しかたないじゃん。昨日の今日だもん。あっ、昨夜はありがとうね~。」

「どういたしまして。」

私は、にこっと笑った。

「さくらさん、怒ってる?」

夏子が私の後ろをついてくる。

「昨夜はな~んかまずいこと言った?」

夏子は、本当に記憶がないようだ。

「別に。気にすることないわ。」

私は、夏子に二日酔いに効く栄養ドリンクを差し出した。
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