幸せの条件
 ゆっくり立ち上がる。

「凜さんって本当にお子様。私の知り合いに凜さんと同じくらいの歳の子がいるけどその子の方が大人だわ。社会人としての経験の違いね。お友達が多いのはよろしいけど学生時代の青春を引きずらないで。時が経てば経つほど美化されていくだけ。社会人になってからできたお友達も大事にしなさいよ。」

一気に喋った私は、お金をテーブルの上に置く。

歩き出した拍子によろけた。

拓也がすかさず私を支える。

「1人で帰れるわ。」

拓也の体を押し返して私は、店を出る。

「僕、送ってくる。」

拓也が私を追って走り出した。

「拓也!!」

凜が叫ぶ。
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