幸せの条件
 着いたのはTホテルの前だった。

外国の要人もよく利用する一流のホテルだ。

「こっち。」

聡子は、エレベーターのボタンを押した。

乗ったエレベーターはぐんぐん上昇していく。

最上階で止まった。

この階に部屋は1つしかない。

私は、少々緊張してきた。

聡子が部屋の扉をノックする。

少しして扉が勢いよく開いた。

「聡子~!」

黒いドレスに赤いハイヒール、厚化粧の金髪の女性が出てきた。

きつい香水の匂いに私は、咳き込みそうになった。

「こちらは社長のマリア。」

私は、英語で挨拶をした。

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