幸せの条件
 友馬が白い紙を取り出す。

「まあ、答えを出すのは早いよな。デートしようぜ、デート。」

友馬は、私の右手に紙を握らせた。

顔を上げた私と友馬の目が合う。

友馬がにこっと笑う。

「約束。」

私の左手の小指に友馬は、自分の小指を絡め、2、3回ブンブンと縦に振った。

「約束だからな。」

念を押して友馬は、マリアのところに戻っていった。

 私は、再び聡子の車に乗り、実家の最寄り駅まで送ってもらった。

友馬の笑顔が忘れられなかった。
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