幸せの条件
 スーツ姿ではなく、Tシャツにジーンズというラフな格好だった。

「遅い!今、帰るところだったわ。」

友馬がムッとした顔をする。

「約束はちゃんと守っただろう。」

「一応ね。でも、女性を待たせるものじゃないわ。次から気をつけてよ。」

友馬がボソッと言った。

「・・・まったく何様だよ。」

私が友馬を見る。

友馬がにこっと笑った。

私の手首を掴み、引っ張ってその場を離れる。

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