幸せの条件
 友馬が私を連れて入ったのは海の見えるレストランだった。

店内ではなく、テラスに通された。

友馬は、私に飲み物のみを聞き、あとはメニューを見ずに注文する。

「・・・友馬さんっていつでもどこでも誰にでもそんななの?」

「あぁ?」

「そうだとしたら裏表、あり過ぎだわ。」

「誰だってあるだろう?これくらい。あんただって親に見せる姿、友達に見せる姿、恋人に見せる姿、知らない人に見せる姿・・・。全部、違うだろ!」

「はっきりと使い分けてはいないわよ。」

「当たり前だ。そうだったらかなり性格、悪いぞ。」

「あのね・・・。」

「お待たせしました!!」

私の言葉がウエイトレスに遮られる。

私は、落ち着くためにアイスティーを飲んだ。

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