幸せの条件
 姉がまた会社に戻っていった。

医者から帰宅して休むよう言われ、私は、病院からタクシーに乗った。

車中で携帯電話が震える。

友馬の実家からだった。

「・・・はい。」

私は、電話に出た。

相手は友馬の母親だったが、なんだかとても焦っている。

聞き取りにくい。

「ゆっくり話してください。」

うまく回らない頭で私は、必死に理解しようとする。

しかし、分かったのは病院の名前だけだった。

「さくらさん!助けてちょうだい!」

友馬の母親の涙声で私は、唯事ではないと感じ、行き先を変更する。

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