幸せの条件
 病院に着くと友馬の母親が落ち着きなく私を待っていた。

私に状況を一気に話す。

「ち、ちょっと待ってください。」

私は、頭の中で整理する。

友馬が友達と登山中に事故に遭い、手術中だが、輸血が必要になった。

ここまでは理解した。

「あの、残念ですが、私では力になれません。友馬さんとは血液型が違います。」

「いいえ。同じよ。同じだからお願いしてるのよ。」

興奮している友馬の母親がハッとした。

「・・・話してください。」

私は、友馬の母親に詰め寄る。


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