幸せの条件
 医者の診察を受けた結果、友馬の記憶は、所々ないらしい。

「・・・さくら、落ち込まないで。一時的なものでしょ。」

居場所がなくて面会室に逃げた私を悠が追ってきた。

「普通、忘れる?私のこと。信じられないわ。」

「さくら・・・。大丈夫。思い出すわよ。」

「当たり前よ。思い出してもらわないと困るわ。」

突然、目眩がして私は、よろよろ座る。

「貧血?顔色、悪いよ。」

悠が私の背中を撫でる。

「いろいろなことが起こり過ぎだわ。」

私は、額に手を当て、ため息をついた。
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