幸せの条件
 私は、帰ることにした。

友馬の病室に私がいると友馬の機嫌が悪いのだ。

私は、帰る途中で悠と夕食を食べる。

「あら~、話題になってるのね~。どうするの?さくら。」

悠が週刊誌を私に見せる。

記事こそ小さいものの注目はされてるみたいだ。

事務所は大手ではないし、所属している人間もほとんど無名だ。

今回、友馬と数名の俳優、女優が大抜擢を受けた。

この仕事での評価によっては個人としてはもちろん事務所としても今後の影響が大きい。

友馬は、そこまで話してくれなかったが、相当なプレッシャーだろう。

「・・・退院すれば仕事は出来るし。ゆっくり向き合おうかしら。」

「うん。いいんじゃない。」

私は、週刊誌を閉じた。
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