幸せの条件
 玄関に向かう途中、病院内の花屋で友馬を見つけた。

友馬も私に気がついた。

私から友馬に近付いていく。

「・・・お待たせしました。こちらでよろしいですか?」

「はい。この病室にお願いします。」

友馬がお金とメモを渡した。

後ろからメモを見ると父の病室だった。

「・・・友馬さんだったのね。」

花屋を出たところで私は、友馬に話し掛ける。

父の病室にはいつもピンク色のカンパニュラが生けてあった。

私は、てっきり母か姉がと思っていた。

「さくらちゃんのお母様にお父様の好きな花を聞いたんだ。花言葉、知ってるか?」

私は、首を横に振った。

「調べてみるといい。じゃ、俺は行く。」

「え?もう?ゆっくり出来るでしょ?」

「仕事だ。」

「ちょっとでも時間ないの?」

「ない。昨日、遊園地でデートしただろう。」

「そうだけど・・・。」

不機嫌になってきた私の頭を友馬が撫でる。

「メールかお電話、必ずちょうだい。」

「はい、はい。」

友馬がバイバイと手を振って駐車場のある方へ歩いていった。

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