幸せの条件
 「結婚しなよ、お姉ちゃん。好きなんでしょ?」

姉が彩人を見た。

「僕は大丈夫。サラリーマン家庭で継ぐものなんてないし。両親は兄貴家族と同居してるし。婿で構わないし。それから・・・えっと・・・。」

「お姉ちゃん!このチャンスを逃したらダメだよ。この人で最後かもしれないわ。結婚してくれる奇特な人はね。」

「さくら、ひどい・・・。」

「あら、本当のことでしょ?」

私は、にこっと笑った。

姉が深呼吸をする。

< 186 / 202 >

この作品をシェア

pagetop