幸せの条件
 友馬が車で私を実家まで送ってくれた。

ケンカをしたいわけじゃない。

気まずくなりたいわけじゃない。

仲良くしたくないわけじゃない。

でも、デートを重ねるほど距離が縮むどころか離れていってる気がする。

このまま一緒に暮らしていいの?

結婚していいの?

友馬の車が私の実家から少し離れた場所で止まる。

「忘れるところだった。」

友馬が私になにかを握らせた。

ゆっくり私は、手を開く。

指輪だった。

「結婚しようぜ、さくら。」

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