幸せの条件
 自分で注ごうとしたので私は、慌てて注いだ。

夏子が軽く頭を下げる。

「結婚ってね、家族のために毎日を過ごすことになるからそれが幸せと思わないとやってらんないよ~。私ばっかり!とか私が!ってなるとうまくいかなくなる。」

「夏子は?」

「失敗のパターン。私ばっかり損をしている!あれもこれも私が決める!常に不満?不平?でいっぱい。イライラしっぱなし。」

夏子がゲラゲラ笑った。

「あたし、離婚されて当然。」

「後悔してないの?」

「全然。結婚も出産も育児も離婚も。だって、若いうちに全部、経験できたんだよ?すごくない?まあ、いつかはまた結婚するけど今はいいや。」

私は、夏子が私より大人だったことにとても驚いた。

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