幸せの条件
 1週間後、私は、いつもと変わらない休日を過ごしていた。

「そろそろ時間じゃないの?」

母の言葉に私は、時計を見る。

「・・・そうね。」

荷物を持って玄関に向かう。

「あら?なにかしら?」

なんだか外が騒がしい。

「・・・お父さん!?」

会社にいるはずの父の姿が見えた。

近付いてくる。

すべてを察した母が私の背中を押す。

「さくらちゃん、行きなさい。」

私は、走った。

父も走って私の後を追ってくる。

止めに入った母が突き飛ばされた。

荷物を抱え、弾丸のように勝手口へ走る。

あと1歩で外だというところで父に捕まった。

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