幸せの条件
 泣き疲れて私は、いつの間にか眠っていた。

目が覚めてからまた何時間か経ってカタンと音がした。

戸が静かに開いた。

「大丈夫?さくらちゃん。」

「・・・お母さん。」

母に支えられて私は、立ち上がった。

もう外は真っ暗だった。

家の中に灯りが点っていた。

握り締めていた携帯電話の着信履歴は孝太郎の名前でいっぱいだった。

こうちゃん・・・。

私は、初めて失恋を味わった。

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