幸せの条件
 一晩中、泣いたらすっきりした。

また1つの恋愛が終わった。

そうよ!1つの恋愛が終わっただけ・・・。

「今日はずいぶん厚化粧ね。」

私は、悠の声にハッとする。

悠が自分の顔を私の顔に近付ける。

「メイク法を変えたの。ねぇ、さらにいい女になったと思わない?」

「はいはい。」

「もう!もっと褒めてくれてもいいじゃん!」

「褒めるところがないのよ。さくらは元々美人なんだから。じゃ、お先!」

悠は、トイレから出ていった。

私は、鏡に映った自分を見つめる。

大きな瞳・・・。

二重瞼・・・。

長いまつ毛・・・。

通った鼻筋・・・。

小さい口・・・。

「お姉ちゃんと全然、似てないんだよね、私・・・。」

私と姉は、小さい頃から姉妹に見られたことはない。

私は、ため息をつく。

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