幸せの条件
捨てる神あれば
 「おはよう、片瀬さん。」

「おはようございます。」

「ちょっといいかな?」

孝太郎がいなくなって4日が経った朝、私は、小会議室に呼ばれた。

「接待への同行ですか?」

「・・・ああ。」

「分かりました。」

私は、作り笑いをしながら頭を下げた。

デスクに戻り、仕事を始める。

私は、よく接待に呼ばれる。

理由は分かりきっている。

私が美人だから。

私に華があるから。

仕事のことはよく分からないが、私は、にこにこ笑って同席してればいい。

仕事ではなくて

合コンだと思えば苦ではない。

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