幸せの条件
 会社の前からタクシーに乗って料亭に向かう。

車中では瑞希と話が盛り上がった。

ほとんど近況報告に近かったが、楽しかった気がする。

料亭に着いて個室に通されるとすぐになにやら打ち合わせを始めた。

私は、瑞希の横顔を見ながら呑気に仕事ができる男性ってかっこいいなあと思っていた。

接待の相手が現れたのは30分後だった。

私は、笑顔を心掛け、お酌をしたり、話に相づちを打ったりする。

でも、本当は話している仕事の内容もちんぷんかんぷんで理解していない。

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