幸せの条件
 長谷川直之。

3人兄弟の末っ子。

30歳。

未婚。

弁護士一家。

直之は、独立して事務所を構えたばかり。

都内に3ヶ所、マンションを所有。

現在、恋人も好きな人もいない。

「・・・じゃ、そろそろ解散ということで。」

結局、ずっと直之のお喋りにつきあわされ、まったく他の男性と接触するチャンスがなかった。

もらえた名刺も直之のみだった。

次に行くお店の相談をしている皆からそっと離れ、私は、駅に向かって歩き出す。

直之が気付き、追ってくる。

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