桜の木に「こんにちは」
「おかえりー♪」
「ただいまぁ♪」

鈴子が、帰ってそうそう飛びついてきた。
あ♪
三人とは、下の名前で呼ぼうって決めたの♪

「………ん?
それ、誰の上着?」

鈴子は、私の着ている上着を見て、問いかける。

「ちょっとね♪
あぁー、まだいたかったなぁ………」

ポロッと本音が出てしまった。

「恋だねぇ♪」

鈴子は、ニヤニヤしながら私を見つめる。

「青い春だねぇ♪」

………あれ?

「そう言えば、初音と空恋は?」

鈴子以外、誰もいない。

「映画とエステ♪」

あぁー!!
そう言えば、言ってたっけ………
初音は、ネイルサロンとエステ
空恋は、『三人の魔女と五人のおかん』の試写会に行ってるんだ………

「恋………かぁ………」

でも、もうすぐ消えてしまう。
会って間もないし………
消える?
そうだ………

「ど!!どうした!!」

え?
手を頬にあてると、涙がでていた。

「そんなに、好きな奴なら告っておいで!!」

そう言って、背中を押された………

「え?
でも、好きなんてまだ分かんないし………いたΣ」

鈴子に、おもいっきり蹴りをいれられた。

「そんなこと、自分の心に聞け!!」

『………ばたん!!』

ドアを閉められた………



行くしかないよね?


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